昔、木田さんという人が居た。やさしそうな顔をした、やさしい人物であった。そのやさしさ故にとんでもない者に愛されてしまった。“ツカンポ”の神である。 以前から弱い弱いと言われていた。しかしそのときはまだ1回生であった私には、4回生は大きく見えたのか、それほど弱いとは思えなかった。対戦経験もさほどなかったが。
夏合宿でのことである。ご存知の通り、麻雀大会が開かれるのであるが、3日目に到っても一度もトップを取れないよわーい人たちが居た。その中に木田さんが含まれているのは言うまでもない。そこで、そんな弱い人達だけで“未勝利戦”を行うことになった。やろうとした本人達は少しでもプラスになる為との思惑もあったのだろうが、周りの人々は誰が最も弱いのか見極めるべくわくわくして見守っていた。
さすがは未勝利戦である。‘力弱さ’が均衡している為、南場では決着がつかなかった。周りの者は、然もありなん、と頷いたものである。しかし、未勝利のパワーはこんなものではなかった。西場を過ぎても決着はつかず、北場、帰り東、そしてとうとう帰り南まで来てしまった。オーラスで確定ある人は居るのだが、ことごとく振るのである。周りもあっけにとられるばかりである。この半荘だけで5時間ほど経っているのだから。
これは永久に勝負がつかないのではないかと囁かれ始めた時、それまで眠っていた木田さんのパワーが大爆発した。とにかく振る。振る、振る、ダブル振る。帰り南4局を迎えた時には、点箱の中には千点棒が1本ぽつんとさびしげにあるだけであった。 もう誰かがトップをとることは決定していたので、みなの関心は木田さんが飛ぶか否かに集まっていた。とにかくノーテンでも飛ぶのである。ひたすら聴牌へと向かう。ばらばらの配パイであったが、中盤で何とかてんぱることが出来た。が、当たり牌が他者からこぼれることはなく、ましてやツモることなど出来やしなかった。
そうこうしている内にリーチの声がかかる。いかにも高そうだ。満貫クラスであろう。そして案の定木田さんは一発で濃いところを引いてきた。仕方なくまわし打ちを始めた。しかしこのときはツカンポ神が気を抜いたのか、木田さんの技術なのか、見事なうちまわしで見事にはり直した。後1回通れば聴牌料が入る、と誰もが思ったそのときツカンポ神がフルパワーを発揮した。もうここしかあるまいと思われる牌を引いてしまったのだ。その瞬間、木田さんの手は震え、顔は驚きに満ちていた。当然であろう、あんなうまい打ちまわしをして最後にもう一度濃いところを持ってくるなどと誰が想像できよう。
・・・そして木田さんは降りた。シュンツのど真ん中を抜き取り、流局したのち静かに牌を伏せて
「ノーテン、飛びです。」
これか木田さんの物語である。未勝利戦で飛んでしまうほど弱い人であった。最後は勝負するべきだったと言う人も居るだろう。だが勝負していれば満貫を振っていた。そして-57が記録されていたことだろう。高々7の差ではあるが、これはツカンポ神への木田さんのせめてもの抵抗だったと思う。愛すべき人である。 (投稿者:Jr)
HOTOKEの夏合宿コンパは荒れることで有名である。その年も例外ではなかった。
コンパのスタートと同時に、幹部の予想をはるかに越えるペースで酒が消費され始めた。なんと序盤戦のうちから酒が足りなくなってきたのだ。まあこの年は酒飲みの先輩も多く、また、一回生もお調子者ばかりであったので、よくよく考えてみれば当然の結果と言えなくもない。
そこで当時キャプテンであったK氏は、幹部の一人を引きつれて酒を買い足しに行くことになった。その間約30分。帰ってきた時には全員が出来あがっており、K氏は完全に乗り遅れてしまった。彼は遅れを取り戻そうとしたが、T氏の“朝食ぶちまけ事件”や、I氏の“いいかげんにしなさいよ”事件、その他口はばかられる事件が多数起きてしまい、その後始末に追われてしまう。結局、彼は酔うことは出来なかった。
そんななか、マネージャーの一人Nさんが飲み過ぎて気分が悪いと訴えてきた。K氏はキャプテンでもあり、ほかの者は既に使い物にならないので、彼女を介抱する事になった。Nさんがトイレに行くほどではないと言った為、別の部屋で寝かせることにした。
さて、もう一人乗り遅れていた幹部がこの一部始終を見ていた。彼の名前もKと言う。区別するためにK君としよう。K君もNさんのことが心配ではあったが、K氏が連れていったのでとりあえずは安心していた。ところがそのK氏が30分経っても帰ってこない。何かあったのかもしれないと慌てて部屋をのぞきに行った。そこで彼が見たのは・・・・
まず、ぐったりとして寝ているNさんが目に入ったのだそうだ。これはまずいかもしれないと、傍で介抱しているK氏に目を転じるとK君は凍ってしまった。なんとK氏の手はNさんの胸に伸びており、そこでうごめいていたという。見ては行けないものを見てしまったK君は黙ってドアを閉め、足早にそこを去り、記憶を消そうと必死に飲みつづけた。
ほぼ全員がつぶれていたあの日、この事件は完全犯罪になるはずであった。唯一の誤算は、大酒飲みのK君があまり酒を飲めず、酔っていなかったと言うことである。取材に答えてくれたK君は、「ドアを閉める際に見えたK氏の鬼のような目が忘れられない。」と言って慄いていた。彼は今でもそのときの光景が夢に出で来て苦しんでいるという・・・
あれは忘れもしない、1993年の11月のことである。NF(11月祭)の最終日を明日に控えた夜、当時1回生だった私は下宿で明日売る予定のおでんの下ごしらえをしていた。
あのとき私の下宿は、学校から近いこともあって模擬店の前線基地兼雀荘として大繁盛していた。その日も例外ではなく、1、2回生がおでんの下ごしらえをする中、F原さんやA野さんといった先輩方が私の下宿で遊んでいたのである。
そうこうしているうちに、手元にあったトランプとウイスキーの瓶を使ってあるゲームが考え出された。のちに「大富豪イッキ」と呼ばれることになるそのゲームは、トランプの「大富豪(大貧民と呼ぶこともある)」で負けた人間がウイスキーをイッキ飲みするという、極めて単純かつ過酷なゲームなのである。
最初にやり始めたのはたしかF原さん、A野さん、Jrさんの3人だったと思う。それがだんだん盛り上がっていき、下ごしらえを終えた私も参加することになった。始めは私も勝ったり負けたりで、そこそこに酒を飲んで酔っぱらっていた。
事態が急変したのはその後、たしか午前2時ごろだったと記憶している。アルバイトを終えてきたS司さん、友人との飲み会が終わって駆け付けたK川さんがメンバーに加わると、最年長であるF原さんが
「お前ら駆けつけ3杯飲め!」
と言って2人にウイスキー3杯を飲ませたのである。その後、人数が増えたので今まで飲んでいた量(ラスは15cc、ブービーは7cc)では足りないということになり、ラスが50cc、ブービーが15cc、ケツ3位が7ccを飲むことになった。
大富豪イッキというゲームは、通常の大富豪と違ってゲーム前のカードの交換が無い分ラスからの浮上は簡単だが、一旦酔ってしまうと訳も分からないままラスを喰らってさらに飲まされるという恐ろしい循環に陥ってしまう。したがって同じ成績なら酒の強い者が勝つという仕組みになっている。
不幸にも私はそのときのメンバーの中では圧倒的に酒が弱かった。その上ルール変更の直後に連続ラスを喰ってしまった。そして2回目のウイスキーを飲み終わるが早いか、トイレに駆け込んだのである。
ちなみに、私の記憶はこの時点で途切れている。次に私の前に現れた光景は、これぞ地獄絵図と呼ぶにふさわしい、凄まじい光景だったのである。
翌朝8時。同級生のT郎が模擬店の準備のため私の下宿に一歩足を踏み入れた途端、叫び声を上げた。
「なんじゃこの部屋は〜っ!!」
T郎が叫ぶのも無理はない。彼は靴を脱いで私の下宿に一歩足を踏み入れた瞬間、床に吐かれていた「ゲ○」を踏んづけてしまったのだ。驚いたT郎は表に出ようと玄関のドアノブに手をかけた。そのとき、彼の手にぬるっとした感触が走った。そう、ドアノブにもその物質はこびりついていたのである。ノブだけではなく、ドア一面にそれは飛び散っていたのだ。
私はT郎の叫び声で目が覚めた。目が覚めると隣では上半身裸のK川さんが気持ち良さそうに眠っていた。昨夜の出来事を少しずつ思い出しながらベッドを降りようとしたとき、突然ガタッという音がしてベッドの底板が抜けてしまった。突然の出来事に私はあわて、元の高さに戻ろうと足をばたばたさせてもがいていた。気持ち良さそうに眠っていたK川さんはお尻だけが下に落ちる恰好となり、そのまま「くの字型」に落ちていった。そのとき目を覚ましたK川さんも状況はよく分かっていなかったようである。
床に目をやると、窓際でS司さんが口から赤褐色の液体を垂れ流して倒れていた。一瞬ひやっとしたが、寝息をたてて眠っていたので一安心した。その後自分の部屋の惨状を目のあたりにし、昨日の出来事や自分の覚えていないことなどを整頓していったが、あまりのブルーさとひどい二日酔いから、昼を過ぎても仕事もせずに模擬店の裏でぼけーっとしていた。その中で印象的だったのは、あの過酷な大富豪イッキの次の日に昼間っから日本酒をいつもと変わらぬ顔で飲んでいたF原さんである。
後日、部屋にゲ○をブチまけた中の一人であるK川さんと部屋の掃除をしているときに、私がつぶれて意識を失っていたときの行動を聞かせてもらった。その話によると、私はトイレの中から鍵をかけたままつぶれていたそうである。K川さんが無理矢理ドアを壊して中に入ってみると、私が便器を抱えるようにして倒れていたのだという。いくらたたいても私が目を覚まさなかったので、私が倒れている上から用を足したとのこと。私の体に何もかかっていないことを祈るばかりである。
そのしばらく後、トイレからフラフラと出てきた私は回りの声に何の反応もせず、無意識のうちにパジャマに着替えてベッドに直行したそうである。朝目覚めたとき、なぜパジャマを着ているのか不思議だったのだが、この話を聞いて納得したのと同時に笑ってしまったのを覚えている。人間というものは無意識のうちに普段の行動が出てしまうということを初めて知ったからである。これを読んでいるみなさんも気をつけて下さい。どこで普段の行いが出るか分かりませんよ。さて、それほど多くの被害者を出した恐怖のゲーム「大富豪イッキ」であるが、過酷であると同じにメチャクチャ面白いということから、その後も何回か開催され、そのたびに哀れな被害者を出している。普通の人なら二度とやらないのだろうが、やはりその面白さとつぶれたヤツを見る楽しみからか、HOTOKEでは下級生にも脈々と受け継がれているようである。特に現3回生などは花見のときにわざわざトランプとウイスキーを買ってくるほどの熱心さで、私が見ても恥ずかしくなってしまうほどである。
さすがHOTOKE、アホさにかけては天下一品。このゲームが流行り続ける限り、HOTOKEに滅亡の日は来ないだろう。
俊君があんな人だったなんて.私今でも信じられない.
あれは確か俊君が幹部だった頃の話です.太郎さんの下宿で麻雀をしていた俊君は明け方未明に尿意をもよおしトイレに行きました.ここまでは別に大したことはありません.しかしテツマン現象によるナチュラルハイが,彼の本性をむき出しにしました.なんと,俊君は同席していたO竹さんに×ションをすることを強要したのです.しかも俊君は自分の尿を飲めと言わんばかりに,ションベンをまき散らし,太郎さんの下宿のトイレをおしっこまみれにするばかりか,パンツをびちゃびちゃにしてしまいました.
おしっこまみれのパンツをはいた俊君は,嬉しそうに麻雀を続け,満貫,跳満を立て続けに和了り,いつも以上に金をせしめて帰っていったそうです.きっと俊君が強い日はパンツに黄色いしみが浸いているはずです.みなさん確かめてみて下さい.